全体講評
第4回彩屎へ多数のご応募いただき厚く御礼申しあげます。
応募総点数は59点、過去一番のご応募をいただきました。厳正な審査により30作品を入選とし、その中より市長賞1名、彩賞2名、審査員特別賞1名、メーカー賞14名を選考させていただきました。入賞」ならびに入選された皆様、大変おめでとうございます。
今回の全応募作品を拝見させていただき、強く感じられたのは見るほどに静かに訴えかけてくる作品たちの存在でした。
新座市長賞の柴田さんの『好きだった』は、観る者が心の目を研ぎ澄ました時に、形にならない人間の感情をじわじわと感じさせる今までにない作品でした。彩賞の安西さんの『希望の祈り』は、日本画の揉み紙の下地を生かして描かれており、赤い薔薇の背景に覗く逆光の様な銀箔の輝きは、まさに祈りの神々しさを纏う作品です。さらに、個性的な額装が装飾的な美しさを引き立てています。同じく彩賞の金子さんの『ママ、涎生日ケーキ作ったよ』は、愛情が溢れるテーマと視点の面白さ、そしてシンプルな配色が無邪気な情感を効果的に伝えています。
そして、審査員特別賞の森さんは、過去に市長賞を受賞された実力者です。『アユッタヤーの冒険』は、躍動感溢れるアジアの情景を見平な描き込みで表現し、観る者をエネルギッシュな活き活きとした世界に引き込んでくれます。
最後に、応募いただきましたが、残念ながら入選されなかった皆様へ。私は、作品中に宝石の原石が秘められていると強く感じました。今までの絵画表現や思考の枠組みを一度手放し、自由な発想で新たな世界に挑んでみてはいかがでしょうか。その先にこそ、内なる高次元の芸術が顕現する瞬間が待っていると確信しています。来年、また新たな作品とともにお目にかかれることを、心より楽しみにしております。
(審査所感:山崎雅可)
〔彩展審査員〕
木村まき、斎藤忍、鈴木伸、須永高広、藤澤慧梨子、村嶋李春、山崎雅可(50音順)